目標達成できない人の特徴と改善策

目標達成できない人の特徴と改善策

目標を達成できない人の特徴は、性格にあると思われがちです。しかし、目標達成できないのは自分が怠けているというわけではなく、きちんと目標達成する方法を知らないだけのことが、多々あります。目標達成したことがない、三日坊主ですぐに終わってしまう、という方は、次の3点に気をつけてみましょう。

  1. 脳をだます
  2. 週間化
  3. 超速化

次に、3つの点について、詳しく説明していきます。

目標達成できない人のための「脳をだます」テクニック

「1.脳をだます」というのは、脳に、目標を達成できると信じ込ませる方法です。一般的に、脳をだますためによく使われる方法が、目標を書いて、紙に張り、いつも見えるようにしておくことです。

目標を紙に書くテクニックは、昔からよく推奨されていますが、いまいち効果が分かりにくいため、案外、やっている人は少ないようです。しかし、目標を紙に書いていつでも見えるところにおいておくと、脳に目標がインプットされて、目標を四六時中意識するようになり、脳が目標を達成しようと、動き出します。

何かを四六時中意識することの大切さは、有名な写真家も語っており、写真の上達方法として「撮った写真を必ず印刷して、額に入れて飾っておく」方法を提唱しています。一般の人がなかなか写真の技術が上がらないのは、デジカメや携帯やスマホで写真を撮っても、自分が撮影した写真のことをすぐに忘れてしまうためです。一方、撮った写真を印刷して額に飾っておくと、「自分は写真が好き」と、脳をだますことができます。そのため、写真の前を通るたびに「もう少し、日が登ってから撮ったらよかったかな?」「右側の空白が気になるかな?」「ちょっと、青色が強く出すぎているかな?」など、いろいろなことに気づくようになってきます。その結果、写真撮影の際に撮影時間を気にするようになったり、写真の構図やフレーミングについて勉強してみたり、ホワイトバランスを意識するようになったりしてきて、写真の技術もどんどん上達するわけです。

同じような脳をだますテクニックを使った例として、フリーアナウンサーでレギュラー番組「情報ライブ ミヤネ屋」でもおなじみの「宮根誠司」さんの肉体改造が挙げられます。宮根誠司さんは、番組の話題作りのため、2014年4月25日の番組内で腹筋を6つに割ることを予告し、約8ヶ月後の2014年12月23日の番組でその肉体美を披露しました。その宮根誠司さんが、肉体改造するために脳をだました方法が、「自分は渡り鳥」「自分は手の甲」と何度も思い込むことでした。渡り鳥は、何千キロも飛ぶため無駄な脂肪はついておらず、手の甲も、よく動かすため太っている人でも手の甲には無駄な脂肪がついていません。同じように、自分も「渡り鳥」「手の甲」と思うことにより、普段から、自然に全身の筋肉を使おうよう、脳に思い込ませていたわけです。似たような方法は、筋トレの本でもよく書かれており、筋トレのときには、どの筋肉を使っているか、意識しながら筋トレするようにする方法が推奨されています。使っている筋肉を意識すると、脳をてなずけることができ、その筋肉の使用率を高めることができるため、筋トレの効果が高くなります。

実は、脳をだます方法は、私たちも、普段から知らず識らずのうちに使っています。例えば、神社で参拝するときに頭の中で願い事を言っていたり、酔った勢いで自分の夢を人に語ったりしたことがある方は、多いはずです。これも、脳をだます一つの方法です。しかし普通の人は、初詣や神社観光のときくらいしか神様に目標を言いませんし、酔った時くらいしか本音で目標を語りませんから、それだけでは、脳をだますことはできません。しかし、もし、普段から自宅の神棚や仏壇でお参りしながら毎日目標を言ったり、常日頃から周りの人に目標を語っていたりすれば、脳をだますことができ、自然と目標のための行動を起こせるようになります。

実業家として成功している方も、何度も目標を繰り返すことにより、脳に刷り込ませています。例えば、孫正義さんは、19歳のときに、次のような人生50年計画を立て、人生の指針にしていました。

  • 20代で名乗りを上げ、
  • 30代で軍資金を最低1,000億円貯め、
  • 40代でひと勝負し、
  • 50代で事業を完成させ、
  • 60代で事業を後継者に引き継ぐ

実際、孫正義さんの人生50年計画は、ほぼ、そのまま実現されています。特に40代のひと勝負では、44歳でインターネット業界にYahoo!BBとして参入し、さらに49歳でボーダフォンを買収するという、2つの大きな勝負を仕掛けました。その結果、50代にして通信業界No.1のNTTドコモを抜き、ソフトバンクは通信業界のトップになりました。目標を立て、自分に言い聞かせることが、いかに大事であるかが分かります。

逆に、脳をだますテクニックを間違った方法で使ってしまうと、最終的に犯罪を犯してしまうこともあります。普段より、ネットで誹謗中傷を続け、脅迫めいた書き込みを続けていると、悪い方向に脳をだましてしまい、人や社会を悪と決めてつけてしまい、罪を犯しやすくなってしまいます。

なお、脳をだますためには、目標を否定する人は避けるようにしましょう。目標を否定する人と一緒にいると、上手に脳をだますことができません。目標を否定する人の有害性については、アメリカのバスケットボールの選手として有名な「マジック・ジョンソン」さんも、次のような名言を残しています。

  • 「お前には無理だ」と言う人の話を聞いてはいけない

目標を達成したいときは、目標に否定的な人物と一緒にいるのは避けるようにしましょう。もし、目標を否定する人に絡まれたら、説得するのに労力もかかりますし、せっかく説得できても、何も得るものはありません。

目標達成出来ない人のための「週間化」テクニック

「2.週間化」というのは、目標を1週間単位の行動に区切るテクニックで、1週間単位でスケジュールを組む方法です。普通は「しゅうかんか」というと、「習慣化」と書く方をイメージしますが、この場合は「週間化」です。

目標を週間化せずに、例えば、「中小企業診断士の資格を取りたい」と目標を決めても、漠然とした目標なので、なかなか行動に移せません。そのため多くの人が、目標達成できない人になってしまいます。しかし、週単位の行動にまで落とし込むと、目標を達成しやすくなります。中小企業診断士の資格を取るための行動を、例えば、次のように落とし込みます。

  1. 中小企業診断士を取るための勉強時間の目安は、1,000時間と言われている
  2. 1年で中小企業診断士を取るなら、1年で1,000時間の勉強が必要
  3. 1年(約50週)で1,000時間なら、1週間で20時間、1日で3時間の勉強が必要

以上のように考えると、1年で中小企業診断士を取るなら、1週間で20時間、1日で3時間の勉強が必要であることが分かります。しかし、1日3時間勉強すると決めても、実際には、急な残業が入ったり、飲み会が入ったり、体調が悪い日もあったりするため、目標を達成できない日もできてきます。その結果、挫折感が残り、挫折が積み重なった結果、多くの人が「もういいや」と諦めてしまい、目標達成できない人になってしまうわけです。

そのため、スケジュールを組むときは週単位で考え、1週間の中で帳尻を合わせるようにしましょう。例えば、平日に忙しくて2時間ずつしか勉強できなかったときは、土日などの休みのときに勉強時間を増やして、帳尻を合わせます。

「週間化」は、1週間単位が一番管理しやすいため、1週間で計画を立てます。例えば、運動のためにジョギングやウォーキングを「毎日30分」としたときも、「週7回」や「週210分」と、週単位で帳尻を合わせるようにしましょう。週7回ならば、雨の日にウォーキングを休んだとしても、晴れの人に2回ウォーキングすれば、帳尻を合わせることができます。

ただし、食事制限やカロリー制限によるダイエットの場合は、「隔日化(2日化、翌日化)」が良いとされています。具体的に言うと、ダイエット中であるにも関わらず、飲み会や外食で食べすぎてしまった場合は、翌日に帳尻を合わせるようにします。一般的には、ダイエットで帳尻を合わせるときは、「今晩はたくさん食べるから」と考えて、その日の昼食を減らしたりして、事前に帳尻を合わせようとしがちです。しかし、事前に帳尻を合わせようとすると、必要以上にお腹が減りすぎてしまうため、飲み会や外食で普段以上に食べすぎてしまい、結局、帳尻を合わすことに失敗する場合が多くなります。そのため、ダイエット中に食べ過ぎてしまった場合は、必ず、翌日に帳尻を合わせるようにしましょう。

なお、「隔週化(2週間化)」や「月間化(1ヶ月化)」の場合だと、ツケが貯まりすぎるため、おすすめできません。2週間分の勉強のツケが10時間たまっていたり、1ヶ月分の勉強のツケが20時間たまっていたりすると、帳尻を合わせるのに何日もかかるため、容易ではなく、さらに気力も失せてしまいます。ただし、「2週間に1回、街コンに行く」「月に1回、登山に行く」など、頻度の少ないものであれば、「2週間化」や「1ヶ月化」にしても、問題ありません。

目標達成できない人のための「超速化」テクニック

「3.超速化」というのは、目標を決めたら、とにかく行動してみるということです。一般的に陥りやすいパターンとして、目標を設定することに時間をかけすぎ、「中小企業診断士の資格を取るために、1日に3時間も勉強できるかな?」「ダイエットのために、1日1回もウォーキングできるかな?」と迷ってしまって、何も行動せずに終わってしまう人がよくいます。また、行動までに時間をかけすぎてしまうと、迷っている間に、状況が一変してしまうこともあります。例えば、今は、中小企業診断士の資格は重宝されますが、1年後、5年後には、もしかしたら中小企業診断士は供給過多になってしまい、せっかく資格をとっても就職できなくなるかもしれません。また、ダイエットをするのを迷っている間に、痩せてから告白しようと思っていた女性を奪われてしまうかもしれません。今は変化の激しい時代ですから、計画段階や準備段階で時間をかけすぎず、できるだけすぐに実行に移すことが大切です。

目標設定の正しさを議論するのは無意味ですし、他の人にとって正しい目標設定だったとしても、あなたにその目標が適しているかは分かりません。そのため、まずは1回行動してみましょう。そして目標が大変だと思ったら、ブレイクダウンして、目標をさらに小さくしたり、簡単にしたりして、修正を加えれば大丈夫です。

例えば、「1日3時間勉強する」という目標を立てても、実際に行動してみると、次のようなことに気づくかもしれません。

  • 仕事の後は、疲れて集中できないため、仕事の後に1日3時間はキツイ
  • 朝早起きして2時間、通勤時間で1時間なら勉強できるかもしれない
  • 通勤時間は混んでいて勉強は難しいが、昼休みの時間を使えば勉強できるかもしれない
  • 朝勉強する方が、夜勉強するより効率的かもしれない
  • 有給や祝日を上手く使えば、週間化で帳尻を合わせやすくなるかもしれない
  • 1日3時間は厳しいので、1日2時間で1年半かけて勉強する方がいいかもしれない

実際に行動すると、気づくことはたくさんありますが、頭の中だけで考えていると、堂々巡りするだけで終わってしまいます。一方、実際に行動すれば、多くのことに気づけますから、目標に微修正を加えていくことができます。そうすれば、「自分に適した目標と、自分に適した目標達成のための行動」が見えてくるわけです。

目標を達成できないのは自分が怠けている、と思って落ち込むことはありません。きちんと目標達成できるテクニックを身につけることができれば、今後の恋愛や貯蓄、健康などで、大いにあなたの役に立つようになります。

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