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仕事で人と話すと疲れる、という人のための対策
仕事をしていると、お客さんや取引先の人と話す機会というのは、度々あるものです。また職場内でも、上司に仕事の相談をしたり、部下に仕事を教えたりするため、会話力が必要になってきます。そのため、営業職ではなく、事務仕事がメインだったとしても、案外、仕事での人付き合いは多いものです。しかし、人といると疲れることも多く、人疲れしやすいため、困っている方も多いかもしれません。
ただし、人といると疲れるというのは、普通のことです。なぜなら、人が会話をするときというのは、何かの目的があり、その目的を遂げるために、頭を働かせてて内容や展開を考えたり、全神経を張り巡らせて、相手の反応やその場の状況を見ながらしゃべるためです。会話での目的としては、例えば、次のようなものがあります。
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会話とは、この目的を達成するための行われるものなので、気合とエネルギーが必要です。そのため、例え、雑談であったとしても、相手に何か伝えたいと思って本気で話すと、非常に疲れます。会話というのは、こちらが一方的にしゃべるだけでなく、会話しながらも、相手が何をしゃべるかを次々と頭の中で考えなければいけません。そのため、相手の話に反応しながらも、気のきいたことを一つでも言おうと思えば、しゃべり終わる頃にはぐったりとなっているものです。
しかし、人疲れしやすい性格だと、コミュ障だと陰口を叩かれ、仕事での評価も悪くなりやすいですし、出世も遠のいてしまいます。そのため、少しでも社会の中で生き残りたいなら、人と話すストレスを少しでも軽くする必要があります。そんなとき、周囲の人の中で、人間観察すると役立つのが、次のようなタイプの人です。
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学校や職場、カルチャースクールや研修会などに行くと、朝から晩までしゃべりまくり、一向に疲れもしない人が、1人はいるはずです。しゃべり続けても疲れない人は、元々の性格というか、気質というかが、常人離れしている面もあります。しかし、よくよく観察していると、学んで真似できるところもあり、次のような特徴があることに気づくことができます。
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本来、しゃべりというのは、常に誰かがいることで成立します。しかし、ずっとしゃべっていても疲れない人というのは、相手がどう反応しようがおかまいなしで、単なる独りよがりの話を続けてるわけです。実際、あなたも今までの生活を思い返してみると、似たような例というのはよく見受けられ、例えば、次のような経験をした方も多いと思います。
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このような会話は、自分のしゃべると決めた内容をひたすらしゃべっているだけで、学生や参加者、参列者の顔色や疲れなど一は切気にしていません。ひどい場合には、周囲の人をほとんど見ることなく、予め用意していた台本とにらめっこして、ひたすら読み続けています。このような独りよがりの会話の場合、頭の中で喋りたいことをしゃべっているだけなので、いくらしゃべっていても、全く疲れません。
一方、全く対照的なのが、芸能人のタモリさんが、漫画家の赤塚不二夫さんへ送った弔事です。伝説の弔事として、今も語り続けられているこの弔事は、2008年8月7日、タモリさんにより読まれましたが、タモリさんは、ずっと弔事の紙を見て読んでいました。しかし、7分56秒にも及ぶ弔事は、実際には、白紙の勧進帳を見ながら読まれており、すべてアドリブでの弔事でした。弔事には、恩人であり師匠でもある赤塚不二夫さんへのメッセージが込められており、聞くだけでも感動させるものがあります。タモリさんの弔事は、聴衆も意識していいるため、芸の一環として見ることもでき、タモリさんは、かなりのエネルギーを費やして、この弔事を読み上げたことと思われます。
仕事で人と話すと疲れる、という人のコミュ障のタイプ
仕事で人と話すと疲れる人は、コミュ障の一種と考えることもできます。コミュ障は、俗に、次の3種類のタイプがいると言われています。
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人と話すことはできるけれども、人といると疲れる人は、3番目のコミュ障のタイプである「隠れコミュ障」に当てはまります。「隠れコミュ障」は、コミュニケーションにおける燃費の悪さから、「ランボルギーニタイプ」と称されることもありますが、一般的にはコミュ障として認めれてもらえず、肩身の狭さもあります。また、人といると疲れやすい人は、次のように例えられることもあります。
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このような方の場合、普通に人と遊びに行っただけでも、翌日に寝込んでしまうことが多く、特に、職場の人と仕事以外の付き合いでBBQしたりすると、その疲労度も半端ではありません。
人と話すときに疲れないコツというのは、いかに、人を無視してしゃべり続けることができるかです。例えば、日本人の高齢者になると、一人よがりで、延々と軍隊時代の話を独演会のようにしゃべり続ける方が、結構、多くいます。そのような高齢者の語りを周りで聞いている人は、義理で相槌を打ったり、「またか」という感じで、ひたすら黙っていますが、高齢者の頭の中には、すでにしゃべりたいことのパターンができあがっており、「私が海軍時代には、何回も前線に出たが、いつもすんでのところで命拾いをした。あれは、確か、昭和18年の・・・」と話し続けます。
同じように、ひたすらしゃべり続ける人の事例として、次のような、ある芸能人インタビュアーの忘れられない経験の話もあります。
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この社長とインタビューをすると、初対面のときは、必ず、1時間半に及ぶ、立身出世の一大ストーリーの洗礼を受けなければなりませんでした。インタビューアーは、社長の生い立ちを聞いていると、堪えても堪えても瞼が垂れ下がってきてどうしようもなくなっため、普段では絶対ないことですが、席を少し外したそうです。一方、この社長のように、相手の反応などどうでもよく、しゃべり続けることのできるタイプは、何時間しゃべっていても、絶対疲れません。この社長と同じように、井戸端会議のおばさんの中にも、周囲をゲンナリして疲れさせてしまう、おしゃべり迷惑なおばさんがいますが、おばさんはいくらしゃべっても全然疲れを見せなかったりします。
人といて疲れやすい人といのは、このような社長や、おしゃべりおばさんから学ぶことは多いかもしれません。会話というのは、案外、周囲の人も適当に合わせてくれますから、それほど、周囲を気にしてしゃべる必要もありません。逆に、無理に笑わせようとしたり、楽しませようとして肩肘張ってコミュニケーションを取ろうとすると、うまくいかずに疲れることも多くなります。そのため、会話では、機知に富んだ会話をしようとしたり、笑わせたり、楽しませたり、もてなそうとしたりせず、普通の、他愛ない会話をするような、人付き合いのスタンスでいきましょう。
結局、人と疲れない話をするコツは、人をいかに気にせず、一方的に話し続けることができるか、にあります。芸能人で例えるなら、芸風ではありますが、古くは無責任シリーズで有名な植木等さんや、テキトー男で親しまれている高田純次さんも、参考になるでしょう。また、アニメや小説であれば、宇宙一の無責任男シリーズとして過去に話題になった「無責任艦長タイラー」なども、見習うところがあるかもしれません。
しかしなんといっても、根っからの気楽さで有名なのが、やはり、先程も紹介した芸能人のタモリさんでしょう。タモリさんは、2017年4月3日の「世界まる見え!テレビ特捜部 一生懸命放送し続けて27周年!おめでたSP」の中で、「ラクそうに仕事をしている有名人」として、ビートたけしさんや、さんまさんに絶賛(?)されたており、次のように評されていました。
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お笑い界の大御所たちは、タモリさんの力の抜けた進行スタイルに不満を漏らしたり、体力の消耗が少ない仕事ぶりを訴えて、笑いをとっていましたが、それだけ、大物の中でも、タモリさんの気楽さというのは、評価されているということでしょう。また、2012年のNS27時間TV内の「さんま中居の今夜も眠れない」のコーナーでも、さんまさん・元SMAPの中居さん、笑福亭鶴瓶さん、タモリさんの4人で出演しているときに、鶴瓶さんより、気楽に仕事をしていることを称賛(?)されています。
もちろん、タモリさんだけでなく、気楽なムードで仕事している芸能人もたくさんいますから、ユースケ・サンタマリアや、藤井隆さんなども、参考になるかもしれません。また、映画なら、ジョニー・デップ演じるパイレーツ・オブ・カリビアンのジャックスパロウや、デッドプールの周囲をものともしない態度からも、得られるものはあるでしょう。
日本人なら、個性の強すぎる一方通行キャラよりも、のんびりマイペースな刑事コロンボなどの方が、向いてる方も多いかもしれません。そのほか、小説やアニメのキャラも含めながら、あなたなりのマイペースキャラのモデルを見つけてみるのも、おすすめです。タモリさんの名言として「他人に期待などしなければ、つまらないことで感情的にならずにすむ。そうすれば人間関係に波風も立たなくなり、円満にだれとでも付き合える」という言葉ありますが、人と話したり、人といるときも、周囲に期待しないようになれたら、人付き合いの疲れも、かなり軽減されます。