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スピーチで緊張しない方法
スピーチや講演会で緊張しない方法を身につけることができれば、人前でのプレゼンでも緊張することなく堂々と話すことができるようになるため、仕事での活躍の場も広がります。そのため、人と話すときに緊張しなければ、出世や成功にも近づきます。
しかし、人の視線というのは、思いの外、強力な威力を持っているものです。例えば、政治家の加藤紘一さんは、式典での視線による疲労の強さを語っています。加藤紘一さんは、2016年に77歳で亡くなりましたが、第36代自由民主党幹事長の経験もある豪腕で、以前は、防衛庁長官を務めていたこともありました。加藤紘一さんは、防衛庁長官時代の一番疲れた経験として、自衛隊の観閲式での、次のような経験を語っています。
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視線のパワーというのは、政治家のように肝の座った人でさえ、クタクタにするほどの力を秘めています。講演会で受ける視線の威力については、司会者の経験もあるアナウンサーの方も、次のように語っています。
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そのため、スピーチで緊張しない方法というのは、とどのつまり、いかに、大勢の人の視線のパワーに負けないかにかかっています。逆に言うと、スピーチでは、人の視線が気にならない方の場合は、ほとんど緊張しないとも言えます。その典型が、KY芸能人としても有名な、森脇健児さんです。森脇健児さんといえば、全盛期は年収約8,000万円もあった、松竹芸能の人気芸人ですが、2018年9月18日の「森脇健児のケンケン・ゴウゴウ」のラジオ番組で、次のようなエピソードを語っていました。
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始終、心配し続けていた海原はるかさんとは対照的に、森脇健児さんは動じることなく、公演を終えました。海原はるかさんと、森脇健児さんのどちらが一般的な反応かを考えると、やはり、海原はるかさんの方が、普通でしょう。
森脇健児さんのようにKYであれば、聴衆や聴衆の視線など一切気にすることなく、講演会やスピーチでも、マイペースに行動することができるかもしれません。しかし、普通の人は、「KYになれ」と言われても、そんなに簡単にKYになることはできません。そのため、スピーチや公演では、いかにして、聴衆の視線を反らすかを工夫しましょう。具体的に、スピーチで視線をそらして緊張しないようにする方法としては、次のような方法があります。
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「視線をそらすために利用できる道具は、とことん利用する」くらいの覚悟で、工夫しましょう。また、声が震える人は、声を録音して流したり、口パクで話すといた方法もあります。しかし、どうしても舞台の上で面と向かって話さなければいけないときは、結局、気合で、視線に打ち勝つしかありません。人前でのおしゃべりは、しゃべる前の心構えが大切なので、スピーチや講演会に立つときは、「よし、行くぞ!」と下腹にグッと力を入れ、相撲の立会いよろしく気合を込め、舞台に出て行きましょう。
スピーチで緊張しないで、忘れることなく話す方法
スピーチで緊張しないで、忘れることなく話す方法は、現役のアナウンサーさんが、実際に進行台本を覚える方法のコツが、参考になります。具体的には、次のように行います。
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細かい部分まで全部を暗記しようとすると、大切な部分を取り落してしまいます。そのため、細かい部分はある程度の流れを覚える程度で、あえて覚えすぎないようにセーブして、抑えるようにしましょう。
また、出番の直前は、リラックスするようにしておきます。中には、直前まで原稿をチェックしている方もいますが、ギリギリまで原稿を見て、斜め上を眺めながらそらんじていると、本番での客席の視線の圧力に耐えられなくなります。そして、視線に圧に負けてしまうと、頭が真っ白になて、すっかり忘れてしまいます。そのため、スピートや公演の直前には、なるべくリラックスするようにしましょう。ただし、リラックスするといっても、横になって仮眠をとってはいけません。仮眠をとると、逆に、頭の中がオフモードになってしまい、せっかく覚えた内容も、全体的に薄らぼけてしまいます。そのため、本番直前は、目を閉じたり、横になったりはせず、椅子に座ってくつろぐようにしましょう。
スピーチや公演が始まったときに、息を吸って、会場を見渡すくらいの余裕を持てる状態がベストです。スピーチや公演開始時に、この余裕がなければ、せっかく、頭の中に台本を詰め込んでも、段取りの糸口を、記憶から引っ張り出すことはできません。
以上のテクニックを使っているアナウンサーさんは、元々は、物覚えが悪く、物忘れも激しい方です。しかし、長年培ってきたこの方法を使えば、式典の進行台本くらいなら、1回で頭に入ってしまいます。
なお、大きな会場でスピーチや公演をするときは、観客との距離を測りながら、声の大きさと、身振り・手振りのアクションを調整するようにしましょう。ときには、後ろの席の人に「どうですか、聞こえていますか?」と思わせるほどの大きさの声でしゃべり、同時に、後ろの席の人にも見えるように大きく腕を振るなどのオーバーなアクションをします。そうすることで、会場の視線にも気合で負けることなく、自分流の立ち居振る舞いを続けることができます。観客にとっても、オーバーなアクションで動くものがあると、本能的に、ついつい視線を向けてしまうため、観客がダレることもありません。
実際、明石家さんまさんや、島田紳助さんのようなベテラン司会者は、スタジオ内を所狭しと動き回ることでも有名です。観客の退屈そうなマイナスの念のこもった視線は、スピーチする人を疲労させますが、逆に、観客の楽しんでいるプラスの視線は、スピーチする人を元気づける側面もあります。