カーネルサンダースの名言

カーネルサンダースの名言:何か他にできることはありますか?

カーネルサンダースは、「何か他にできることはありますか?」という名言で、徹底的に無料サービスを行おうとする人物でした。

カーネルサンダースは、30歳前にガソリンスタンドの経営を行いますが、このとき、カーネルサンダースが思いついたのが、徹底した無料サービスでした。

車がガソリンスタンドにやってくると、カーネルサンダースは飛んでいってすぐさま窓拭きを行いました。さらに、ボンネットを開け、ラジエーターのキャップを外して水を入れた後は、さらに後ろの窓も拭き、客に「何か他にできることはありますか?」と尋ねました。

お客さんは、ガソリンを入れに来ただけなので驚きますが、そんなこともつゆ知らず、カーネルサンダースはサービスの手を止めず、「右後ろのタイヤの空気が少ないようですが、もしあちらまで車を動かしてくれたら調べますよ」と伝えました。

また、カーネルサンダースは、ズボンのポケットに小さなホウキと雑巾をいつも忍ばせておき、社内の掃除もしましたが、それらも、すべて無料奉仕でした。

カーネルサンダースは、生涯にわたり「他の人に最高のサービスをする」ことにこだわっており、それは、自らが経営することになったガソリンスタンドにおいて徹底されていました。そのため、費用対効果よりも、まずはサービスを第一に心がけ、ただ道を聞きに来ただけの車でさえ、同様の無料サービスを徹底して行いました。また、地図を広げている車があれば、自ら積極的に声をかけ、「どちらに向かっているのですか?」と尋ね、道案内しました。

当時は、まだ道が舗装されていない時代だったため、どの車も泥だらけで、洗車は骨の折れる作業でしたが、だからこそ客は、無料で車をキレイにしてくれるカーネルサンダースのガソリンスタンドを選ぶようになったわけです。

この献身的なサービスが大評判となり、カーネルサンダースのガソリンスタンドは、近郊のガソリンスタンドと比べても、抜きん出て繁盛することになったのでした。

実は、カーネルサンダースがガソリンスタンドの無料サービスを行ったのは、単に、彼がいい人だったからではありません。カーネルサンダースは、若くして、社会奉仕団体である「ロータリークラブ」に加入しており、そのモットーを胸に、「最高のサービスが、回りまわって、最終的に利益になる」ということを確信していました。そのため、徹底したサービスを行ったわけです。

実際、ガソリンスタンドに道を聞きにきただけにも関わらず、窓をピカピカにしてもらったお客さんは、次回からは、少し遠回りをしてでも、カーネルサンダースのところにガソリンを入れにくるようになっていました。そのような些細なサービスの積み重ねが、大きな利益につながったわけです。

カーネルサンダースの名言:そんなことは間抜けのすることだ

カーネルサンダースは、常識にとらわれなわい発想で広告を行い、批判に対しては「そんなことは間抜けのすることだ」という名言で一蹴した人物です。

カーネルサンダースは、1回めのガソリンスタンドを世界恐慌により閉鎖した後、2回めのガソリンスタンドの経営に乗り出しました。そのとき、他のガソリンスタンドに負けないよう、独特の広告を打つことを思いつきました。

カーネルサンダースは、ペンキ職人に、赤色のペンキをつかって、160キロ四方すべての農家の納屋の壁にガソリンスタンドの広告を描くよう依頼しました。当時の広告は、高いところに出すのが普通でしたが、納屋の高さの広告は「ドライバーの目線に位置している」ため、ドライバーの目に留まりやすく、この広告戦略は大成功しました。

この、納屋の壁に広告を描くという手法は、後に、カーネルサンダースがレストランを開業したときにも使われました。そのときは、レストラン協会より「納屋の壁に赤ペンキの広告は下品だ。レストランの品位が下がる」と指摘されましたが、「高いところに看板を掲げても、ドライバーの目にはつかない。そんなことは間抜けのすることだ」と切り替えしました。

以上のように、カーネルサンダースは、常に消費者の目線で考えながら、顧客の支持を獲得したのでした。

カーネルサンダースの名言:客をもっと喜ばせるにはどうすればいいか

カーネルサンダースは、「客をもっと喜ばせるにはどうすればいいか」という名言で、飲食店の経営に乗り出した人物です。

カーネルサンダースは、2回めのガソリンスタンドの経営後まもなく、「ガソリンスタンドの客をもっと喜ばせるにはどうすればいいか」を突き詰めて考えていました。そして、お腹を空かせているドライバーが多いことに気づいたわけです。

そして、40歳にして初めて飲食業を始め、フライドチキンやハム、豆、ビスケットの提供を始めたところ、食事を目当てにガソリンスタンドにくる客も現れ始めました。というのも、当時は、ドライバーを相手にした食堂は汚く、料理もいい加減なものばかりでしたが、サンダース・カフェは、狭いながらも清潔で、料理もおいしかったためです。

そして、最終的にレストランのみに専念して大成功を収め、たった5年後の45歳のときには、地元の名士にまで上り詰め、ケンタッキー州知事から「カーネル」の名誉称号を与えられ、「ハーランドサンダース」という実名ではなく、「カーネルサンダース」と呼ばれるようになりました。

お客さんを喜ばせるというカーネルサンダースの経営手法は、その後のモーテル経営にも活かされました。カーネルサンダースは、モーテル経営でも、清潔感のある造りと、巧みな宣伝術を武器にして、見事に成功を収めています。

カーネルサンダースの名言:契約は取り消しだ!

カーネルサンダースは、ケンタッキーフライドチキンの事業が軌道に乗る前でさえ、ルールを守らないフランチャイズ店には「契約は取り消した!」という名言で、契約を解除する人物でした。

カーネルサンダースが、ケンタッキーフライドチキンを始めたのは、ハイウェイの建設によりレストランに来るお客さんが減り、レストランを廃業した65歳のときです。

そして、裸一貫の中、レストランのメニューの中で一番自信のあったフライドチキンのレシピのみを武器に、フランチャイズ契約をしてくれるお店を求めて、1,000軒以上のレストランに営業をかけました。しかし、老人がレストランに来ても受け入れてくれるはずもなく、門前払いされる日々が続きました。そのため、お金が尽きるとフライドチキンを食べてしのぎ、ホテルに止まることもできず、車中泊を繰り返しました。失敗を積み重ねて営業手法を工夫を加え、ときには、その場でフライドチキンを作ってまなかいとして無料で振る舞うこともありました。

そうして、ようやく1,010軒目で契約を取ることに成功し、少しずつ、ケンタッキーフライドチキンのフランチャイズ店は増えていったわけです。

カーネルサンダースが絶対的な自信をもっていたフライドチキンには、次の2つのポイントがありました。

  1. 圧力鍋で揚げる
  2. 7つの島から取れた11種類のハーブとスパイス

「1.圧力鍋で揚げる」とは、カーネルサンダースの考案した前代未聞の方法です。従来のフライドチキンの作り方のように、油の中にチキンを投げ入れるとチキンが硬くなってしまうため、チキンを硬くしない方法として、圧力鍋で揚げる方法を考案しました。

「2.7つの島から取れた11種類のハーブとスパイス」とは、カーネルサンダースの作り出した味付けです。実は、この味付けは現在でも企業秘密となっているため詳細は分からず、マニュアルを見ることができるのは、世界でも数人だと言われています。

カーネルサンダースは、フランチャイズ店を増やすにあたり、自分を製法を守らない「偽のケンタッキーフライドチキン」が出ることを、最も危惧していました。そのため、カーネルサンダースは、衛生状態の悪い店とは契約せず、契約後も、製法が守られていないと「契約は取り消しだ!」と、ただちに契約を解除しました。

カーネルサンダースは、ノドから手がでるほど契約が欲しい時期でさえ、このような態度を貫き、ケンタッキーフライドチキンが世に広まってからも、製法の遵守を徹底させており、トレーニングも妥協せず、従業員が技術をモノにするまで、何日もトレーニングを続けました。

そのため、いくら高齢になっても、カーネルは世界を飛び回って自分の店をチェックし、仮にできていないようであれば、ステッキでカウンターを叩きながら教えていたため、従業員は、カーネルサンダースが帰ってくれるまで、気が気ではありませんでした。

そんな妥協知らずのカーネルサンダースが好んだ国が、日本でした。まじめな日本人は、マニュアルどおりに、自分の命とも言えるフライドチキンの味を忠実に再現してくれたため、「日本のチェーン店は、わたしが考えていた通りのやり方を守り、理想のかたちを受け継いでくれる」と喜びました。

カーネルサンダースの名言:まとめ

カーネルサンダースは、常にお客様目線である一方、強い商売人気質も持っていた人物であり、カーネルサンダースの名言にも、その性格がよく現れています。

ちなみに、カーネルサンダースの人形は、60歳時のカーネルサンダースをモデルして作られた等身大の人形ですが、店頭に起き始めたのは、実は、日本人によるアイデアでした。80歳のカーネルサンダースは、日本を訪れたとき、自分の人形に対して、次のように話しかけました。

  • お前は、歳を取らなくていいな。いつまでも60歳のままで、ケンタッキーフライドチキンの店に来るお客を、迎えることができる。

常にお客様との関わりを考えていた、カーネルサンダースらしい名言であると言えるかもしれません。

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