ファイル管理ソフト

ファイル管理ソフト

パソコンのファイル管理ソフトは、どのようなソフトやサービスを選ぶかにかかっています。データ整理のコツは、一元管理が基本で、情報をとにかく1ヶ所に集めることです。現在は、いろいろな媒体でファイルを作成したり、メモを取ることができるため、自宅のパソコン・ノートPC・スマートフォン・手帳・カレンダーなど、複数の端末や媒体を使っている人も多いです。しかし、複数の端末や媒体を使っていると、どこに記録していたか分からなくなってしまうため、せっかくファイルを保存したり、メモを取っていたりしても、無断になってしまいます。実際、約束の日時を部屋のカレンダーや手帳にメモしていても、見るのを忘れてしまい、すっぽかしてしまったり、日時を間違えたりした経験のある方も、多いはずです。

そのため、パソコンでファイル整理するときは、パソコンとスマートフォンのどちらからでもアクセスできるサービスを選んで使うようにしましょう。また、サービスを選ぶ時のコツは、基本的に、一番シェアの高いサービスを使うようにしましょう。シェアの低いサービスは、自然淘汰されやすく、いずれサービスが終了する可能性もあります。もし、サービスが終了してしまったら、他のサービスに乗り越えなければいけないため、非常に手間です。また、シェアが高いと、人気があるため、連携できるサービスも多くなります。そのため、サービスを選ぶときは、基本的にはシェア1位のサービスを選びましょう。

ファイル整理のためのファイル管理ソフトやサービスを選ぶ時は、ジャンルごとに人気のサービスを使います。まず、ファイル管理ソフトやサービスには、次の4つのジャンルがあります。

1.メール管理
基本は、Webメールを使う
2.スケジュール管理
カレンダー機能のこと
3.メモ管理
メモ機能だけでなく、タスク管理(TO DO管理)も含む
4.ファイル管理 オンラインストレージを使う

それぞれ、説明していきます。

ファイル管理ソフト「1.メール管理」

「1.メール管理」は、Webメールと呼ばれるものを使います。Webメールは、フリーメールの場合が多いです。フリーメールは、複数のメールアドレスを自由に取れたり、メールアドレスの@マークの前を自由に変更できたりするため、悪用されやすく、以前は、信用できないメールと考えられていました。しかし最近は、Webメールの便利さが際立っており、例えば、ネットにつながっていれば、どのパソコンからでもいつでもWebでメール確認でき、さらにスマホのアプリからもメール確認できるため、Webメールを使うのが一般的です。

ただし、会社指定のメールアドレスがある場合は、メールソフトを使ってメール確認している方も多いかもしれません。メールソフトの定番は、Windowsなら「Outlook」、Macなら「Apple Mail」ですが、いつでもどこでも確認できないため、不便です。一方、最近は、Webメールでも、メールソフトと同じように、他のメールアドレスのメールを送受信できるように登録できます。そのため、Webメールのサイトやアプリをメールソフトのように使って、会社のメールアドレスのメールを見たり、メールを送信することもできます。

Webメールは、主に、次の4つが有名です。

1.Gmail Google提供。シェアNo.1。
2.Yahoo!メール Yahoo提供。日本はYahooがメジャーなので使う人も。
3.Outlook.com マイクロソフト提供。
4.iCloudメール Apple提供。iPhoneやMacのユーザー向け。

Webメールは、シェアNo.1の「Gmail」ほぼ一択です。動作の軽さや安定性の面でも、「Gmail」が抜きん出ています。「Gmail」も、もちろんGmail以外のアドレスのメールも送受信できるよう設定できますから、会社指定のメールアドレスも登録することができます。実施、私も、niftyのメールをGmailで送受信できるように設定していたりします。

また、「Gmail」をGoogle Chromeで使う場合、「ユーザーの管理」の機能を使えば、簡単にGmailのアカウントの切り替えもできます。そのため、パソコンでメールチェックすることが多いときは、さらに便利さが際立ちます。私の場合は、個人用のGmailアカウントと、仕事用のGmailのアカウントを切り替えながら使っていますが、とても便利です。

ファイル管理ソフト「2.スケジュール管理」

「2.スケジュール管理」は、要はカレンダー機能のことです。パソコンとスマホアプリのカレンダーを同期できるため、家や会社ではパソコンでカレンダー入力して、外出先などではスマホでカレンダー入力でき、カレンダーの情報は統合されるため、便利です。

なお、「Google カレンダー」のように、家族間でカレンダーを共有できるものもあります。また、「Any.do」のように、「タスク管理(TO DO管理)」のサービスに、カレンダー機能が付属しているものもあります。

スケジュール管理できるカレンダー機能のついたサービスで、パソコンでも使用できるものは、人気順に並べると、次の通りです。

1.Google カレンダー Google提供。多くのカレンダーアプリが連携対応しており、他のカレンダーアプリで内容を表示可能。
2.Yahoo!カレンダー
Yahoo提供。2017年6月7日より前は「Yahoo!かんたんカレンダー」という名称。アンドロイド機種のスマホなら、簡単にGoogleカレンダーと同期可能。しかし、iPhoneだと、直接同期できないため不便。
3.ジョルテ
国産サービス。老舗で、見た目もわかりやすいため、日本のカレンダーアプリの中では大人気。Googleカレンダー、iOSカレンダーのみ表示可能
4.Lifebear(ライフベア)
国産サービス。Googleカレンダー、iOSカレンダーのみ表示可能(iOSカレンダーは、パソコン版には表示不可)
5.Any.do
海外サービス。基本はタスク管理ソフトだが、カレンダー機能も充実。「iCloud」「Google」「Exchange」「Outlook」などのアカウントが設定されたOSカレンダーの情報も、表示可能。
6.TimeTree(タイムツリー) 国産サービス。「iCloud」「Google」「Exchange」「Outlook」などのアカウントが設定されたOSカレンダーの情報も、表示可能。

カレンダー機能のアプリは、基本的にはGoogleカレンダーを使えば問題ありません。Googleカレンダーには、ファミリー機能というものもあり、家族で閲覧可能な予定も入力することができます。家族のカレンダーで共有できる予定は、ファミリー設定で入力した予定のみなので、個人の予定は共有されません。そのため、Google カレンダー1つで、家族の予定とプライベートの予定の両方を管理できるため、非常に便利です。ファミリーの1グループの人数は、最大5つのアカウントまでです。

ただし、Googleカレンダーの表示は非常にシンプルなので、見た目にこだわる方は、表示用アプリとして別のアプリも併用しましょう。国産のカレンダーアプリは独自機能が多くニュースや天気も表示できるため、国産アプリの「ジョルテ」か「Lifebear」のどちらかと連携して、Googleカレンダーを「ジョルテ」や「Lifebear」で表示すると、見やすくなります。私の場合は、シンプルな使い方にしたいので、Google カレンダーのみを単独で使っています。

なお、Yahooカレンダーは、他のカレンダーアプリとの連携がとれないため、ビジネスで本気で使い方は、使わない方がいいかもしれません。Yahooカレンダーは、Google カレンダーとの同期もスムーズではないため、あくまでカレンダー代わりに利用するような、ライトユーザー向けになります。

また、iPhoneにはじめから入っている「カレンダー」のアプリも、使いにくいので、使わない方がいいです。基本的に、Appleのサービスは、iPhone自体は優れている一方、サービスやアプリは全体的に使いにくいため、おすすめできません。

ファイル管理ソフト「3.メモ管理」

「3.メモ管理」は、基本的にはメモ帳機能のことです。なお、ほとんどのメモ管理サービスには、「タスク管理(TO DO管理)」も含まれています。タスク管理とはタスク終了の日時を設定できる機能で、締切を設定できるような機能です。例えば、「セミナー研修申し込み」の締め切りが10月1日ならば、「セミナー研修申し込み」のタスク終了日を10月1日に設定しておけば、10月1日に通知が来るため、忘れずに実行することができます。

また、タスク管理サービスには、「リマインダー機能」という便利な機能がついているものも多いです。リマインダー機能とは、タスクを忘れないように、繰り返し表示してくれる機能です。例えば、10月1日に「セミナー研修申し込み」のタスクを設定した後、タスクを忘れないように、毎朝10時に繰り返し表示させることができます。タスク機能を使えば、毎週特定の曜日に表示させたり、毎月初めに表示させることもできるため、毎週週初めにルーチン化されたタスクを表示させたり、毎月月初めに自分の立てた目標を表示させて意識化させたり、といった利用の仕方もできます。

実際には「メモ管理」と「タスク管理(TO DO管理)」のサービスは、どちらをメインにしているかで異なりますが、ほとんどのサービスは、2つとも利用できます。ただし、1つのサービスに集約すると、メモ書きとタスクの用事がごっちゃになって、分かりにくくなります。

メモ管理サービス・タスク管理サービスはたくさんありますが、選ぶときは必ず、パソコンとスマホの両方で利用できるものを選びましょう。パソコンとスマホの両方で利用でき、「メモ用アプリ」と「タスク管理(TO DO管理)」の両方の機能を備えているものを、おすすめ順に並べると、次のようになります。

1.Google Keep Google提供。無料。メモ機能がメイン。シンプルだが、軽快で使いやすい。
2.Google Tasks
Google提供。無料。タスク管理がメイン。シンプルで軽快だが、2019年より、パソコン版は表示領域を広げることができなくなり、見にくなってしまったのが難点。しかし、タスクの締め切りをGoogle カレンダーに表示できるため、カレンダーとの連携もよく便利。
3.Evernote
海外アプリ。デバイス2台まで無料だが、有料プランは高額。メモ機能がメインの老舗。高機能で、記録できるものも多く、メモ書きだけでなく、ファイルやPDF、画像、音声データなども記録可能。ただし、月間のアップロード量に制限があり、無料だと月に60MBまで。有料会員なら月10GBから。
4.OneNote
マイクロソフト提供。2016版なら無料使用可能。有料のOffice365を使えばセットで付属。メモ機能がメイン。セクションにパスワードをかける機能あり。
5.Microsoft to do

マイクロソフト提供。無料。タスク管理がメイン。マイクロソフトがタスク管理サービスの「Wunderlist」を買収して開発。タスク管理の機能は優秀。
6.Any.do
海外アプリ。タスク管理がメインの老舗。カレンダー機能もあり。
7.Wunderlist
海外アプリ。タスク管理がメインの老舗。マイクロソフトが買収したが、マイクロソフトは「Wunderlist」より「Microsoft to do」を推奨。
8.Remenber The Milk
(RTM)

海外アプリ。タスク管理がメインの老舗。

選択肢は、基本的には「Google Keep」「Google Tasks」「Evernote」のいずれかになりますが、無料である点、シンプルで使いやすい点から、「Google Keep」がベストです。また、タスク管理を重視したい場合は、Googleカレンダーにタスク終了日を表示できる「Google Tasks」も合わせて使うようにしましょう。

私の場合は、「Google Keep」と「Google Tasks」を併用して、メモ機能とタスク機能を使い分けており、アイデアはGoogle Keepに書き留めておき、やらなければいけないこと(TO DO)はGoogle Tasksに書き留めています。ただし、Google Tasksは、2019年よりPCでの表示が狭くなって使いづらくなったため、タスク管理を単独でしたい場合は「Microsoft to do」を試してみるのもいいかもしれません。

「Evernote」は有料でないと使い勝手が悪いですが、有料だと料金が高いのがネックになります。そのため、「Evernote」は、頻繁にメモを取ったり、画像や音声を貼ったりする必要のあるハードユーザーのみ、利用を検討すればいいかもしれません。ただし、Google Keepでも、写メを貼り付けてメモを追加することは行えます。

なお、大人気の著書「メモの魔力」でメモの活用法を提案している前田裕二さんは、「FastEver」というメモ管理のできるスマホアプリを利用しています。「FastEver」は、パソコンで使用できないというデメリットがあるものの、「Evernote」より軽く使いやすいため、人気のアプリです。そのため、軽快なメモ機能を求めていて、パソコンで使う予定のない方は、「FastEver」も試しに使ってみてもいいかもしれません。

ファイル管理ソフト「4.ファイル管理」

ファイル管理は、基本的に、オンラインストレージと呼ばれる、ネット上で保存されるサービスを使います。ネット上で保管しておけば、職場・自宅・出張先のいずれでもファイルを確認することができます。ネット上に保管されていると言われると、少し怖い気もするかもしれませんが、大手のオンラインストレージサービスならば、厳重なセキュリティで管理されているので、安心して利用できます。一方、一時期流行った、容量無制限のオンラインストレージを無料で提供している中国の怪しい業者のサービスは、いつデータが盗まれたり、流出したりするとも限りません。そのため、オンラインストレージを選ぶときは、きちんとした業者の提供しているサービスを選ぶようにしましょう。

有名どころのオンラインストレージは、少ない容量であれば無料で利用できますが、大容量になると全て有料です。基本的には、データを一元管理するため、ファイルはなるべくオンラインストレージに入れていくようにします。そのため、必要なデータ容量は多くなることがほとんどなので、最終的には有料で使うようになることを前提にして、サービスを選ぶようにしましょう。

1.DropBox
海外サービス。最大手。無料は2GBまで。
2.Google Drive
Google提供。無料は5GBまで。
3.SugarSync
海外サービス。老舗。無料プランはなく、料金も他のサービスに比べワンランク高い。同期したいフォルダを選択すれば、フォルダ構造そのままで同期可能なため、バックアップに近いオンラインストレージ。
4.One Drive
マイクロソフト提供。無料は5GBまで。
5.iCloud Apple提供。無料は、5GBまで。
6.Amazon cloud Amazon提供。無料は、5GBまで。

パソコンに詳しいビジネスマンがよく利用しているのは「DropBox」で、次点が「SugarSync」です。ただし、コスパ・シェアの大きさ・安定性から考えると、「DropBox」一択です。DropBoxはシェアが大きい分、他のアプリとの連携にも秀でており、動画アプリでDorpBox内の動画を見れたり、画像アプリでDropBox内の画像を見れたりもします。

一方、「SugarSync」はセキュリティ面で優れていると言われています。また、フォルダを選択すれば、そのフォルダを直接、オンラインストレージに入れた状態となります。その他のオンラインストレージサービスの場合は、外付けHDDやUSBメモリのような使い方で、同期するためのドライブが自動的に作成され、ファイルを同期するためには、そのドライブにファイルを移さなければいけません。一方、「SugarSync」はデータを移動させる必要がないため、スムーズに使いはじめられるというメリットがあります。ただし、「SugarSync」は料金が高いのがネックです。

なお、2つのオンラインストレージを使い分けている方もいます。例えば、会社で共有するデータは「DropBox」を使用し、個人用のプライベートなデータは「SugarSync」を利用する、といった具合に、使い分けている経営者もいます。

私の場合は、「DropBox」のみを使用しており、仕事で使うフォルダは共有フォルダ設定し、仕事用のDropBoxの別アカウントと共有して使っています。ただし、ビデオカメラで撮った動画データは容量が大きいため、別途、外付けHDDを買って保存しています。なお、以前は「Google Drive」も一緒に使っていましたが、「Google Drive」はiPhoneアプリの不具合が多く、よくフリーズしていたため、「DropBox」一択に乗り換えました。

以上より、現在のおすすめのファイル整理のサービスをまとめると、次のサービスになります。

1.メール管理
Gmail
2.スケジュール管理
Google カレンダー(ジョルテかlifebearで表示する方法でもOK)
3.メモ管理
Google Keep(または、Google Tasksも併用)
4.ファイル管理 DropBox

基本的には、ファイル整理サービスは、シェアNo.1のサービスを用いていれば、問題ありません。シェアNo.1であれば、サービス終了の可能性も低いため、長く使い続けることができますし、他サービスと連携していることも多く、汎用性がききやすいためです。できるビジネスマンは、会社のパソコン・自宅のパソコン・ノートパソコン・スマホ・タブレットといった、複数の端末を一元的に管理することで、高い成果を挙げています。そのため、少しずつ、使いこなせるようにしていきましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする