ToDoリストの作り方

ToDoリストの作り方

「ToDoリスト」の作り方を考える時、「ToDo」とは、どのようなものか考えておく必要があります。「ToDo」とは、要は次のようなものです。

  • やるべきこと
  • タスク
  • ショッピングリスト

「ToDo」とは、日本語に訳すと「やるべきこと」です。また、「タスク」とは、仕事におけるプロジェクトマネジメントの視点で見ると、「プロジェクトを達成するまでにやらなければいけない個々の課題」と考えることもできます。また、Google Homeでは、ToDoは「ショッピングリスト」の項目に含まれるため、「買うもののリスト」と考えることもできます。

そのため、「ToDo」リストの作り方とは、「やること」のリストを作るということです。逆に、アイデアや気になったことなどのメモ書きは、「やること」ではないため「ToDo」には書き込みません。「ToDo」は、「やること」なので、いずれ、やり終えたら消していくものです。

「ToDoリスト」の作り方で、気をつけるのは、次の点です。

  1. 何でもリストに入れる
  2. 定期的なものは記入する
  3. 次の日にやることを6つ書き出す
  4. やる気のないタスクは消す

それぞれについて、説明していきます。

ToDoリストの作り方:1.何でもリストに入れる

ToDoリストの作り方のポイントの1つめは「1.何でもリストに入れる」です。ToDoリストに入れる場合は、とにかく、なんでも入れるようにしましょう。例えば、次のように、思いついたものは、全て含めていきます。

書類の作成 アポイントメント 入出金管理
名刺の管理 WEBのチェック

この他にも、例えば、カバンの中にペンを入れ忘れていたら、「ペンをカバンに入れる」とToDoリストに加えたりします。また、作業系の仕事だけでなく、「売れるサイトの作り方を考える」などの思考系の仕事も、ToDoリストに加えます。

また、おもしろそうな話題の本のタイトルを聞いて読みたいと思ったら、それも「やりたいこと」なので、ToDoリストに加えます。また、テレビを見ていて、おいしそうなレストランや居酒屋が紹介されていて行ってみたいと思ったら、それも「やりたいこと」なので、ToDoリストに加えます。聞いたことのないIT用語や病名があって調べたいと思ったら、それも「やりたいこと」なので、ToDoリストに加えます。

また、自分がやることだけでなく、同僚や上司、家族や友人にやってもらいたいことなども、ToDoリストに加えます。家族に、昔の卒業アルバムを送ってもらいたいと思ったら、「やりたいこと」なので、ToDoリストに加えます。

一方、「砂防ダムの研究の後継者が少ないらしいから、ビジネスチャンスがあるかな?」というのは、アイデアであって、「やること」ではないので、ToDoリストには加えず、メモアプリに書きます。また、「土日の昼のファーストフード店は、すごい混み合うな」と思っても、それは気づきであって、「やること」ではないので、ToDoリストには加えず、メモアプリに書きます。

ToDoリストには、「やるべきこと・やること・やりたいこと」は、どんなことでも書き込んでかまいません。しかし、それ以外のことは、ToDoリストには書き加えてはいけません。どこまでToDoリストに加え、どこまでがメモにするか、きちんと線引きするようにしましょう。

ToDoリストの作り方:2.定期的なものは記入する

ToDoリストの作り方のポイントの2つめは「2.定期的なものは記入する」です。例えば、毎週月曜日にやる予定や、毎月10日にやる予定、毎月月末にやる予定など、ある程度ルーチン化されており、決まった行動というのがあります。ルーチン化された決まったものは、初めに【】を付けて、区別できるようにしておきます。例えば、仕事の仕組み化の第一人者でもある泉正人さんは、著書の中で、ToDoリストの例を、次のように記しています。

内容 内容
【毎日】英文法5つ暗記 【5】源泉税納付
○○さんへ提案書を提出 【5】○○の会を開催
○○さんへ、チェックリスト送信 【10】AMEXの引き落としチェック
○○さんとのディナーの場所決め 【10】会計士へ書類送付
○○さんとのディナーの場所決め後連絡 【20】インセンティブ計算
○○から○○へ、資金移動 【20】給与明細作成
【月】経営戦略スケジュールのチェック 【20】給与振り込み
【月】○○銀行WEB記帳 【25】○○社/月末送金
【水】ゴルフの練習 【31】現金チェック
【木】ToDoリストを印刷 【1月】花粉症の予防接種
【金】googleアクセス分析を見る 【6月】人間ドック
【1】売上チェック・目標チェック 【10月】正月休みを決める
【1】○○ファンドの価格確認 【○月○日】誕生日/○○さん
【1】WEBの記帳、○銀行/○銀行 【半年】オイル交換
【1】PCを外付けHDDへバックアップ パスポート更新(2025年10月)

ここでいう【1】は毎月1日、【5】は毎月5日になります。もちろん、あなたの都合によりカスタマイズ可能ですから、【第1金】を第一金曜日の予定にしたり、【月末水】を月末の水曜日の予定にしたり、【奇数月第1金】や【隔月第1金】を2ヶ月に1回の予定にしたりして、いろいろ工夫すれば、さらに見やすく、便利になります。

また、泉正人さんの場合は、締め切りや期限日のあるものは、「内容」の末尾に締切や期限日を記入したりもしています。また、泉正人さんの少し変わった使い方として、毎月自分の目標をチェックするために、ToDoリストに「【月末】個人目標/年の3分の1はハワイに住む!」と加えたり、定期的に探しているものをチェックするために「【土】○○マンションの売り物件を探す」と加える方法も紹介されています。

ToDoリストの作り方:3.次の日にやることを6つ書き出す

ToDoリストの作り方のポイントの3つめは「3.次の日にやることを6つ書き出す」です。これは、「アイビーリーメソッド」とも呼ばれる方法で、次のように行います。

  1. ToDoリストの中から、明日やるべきことを6つ書き出す
  2. 優先順位順に並べる
  3. 次の日は、優先順位の高いものから順番にやっていく
  4. その日のうちに、全部できなくても悔やまず、すっぱり忘れる
  5. また、明日やるべきことを6つ書き出す

そして、アイビーリーメソッドで最も大事なルールとして、今、やっているToDoが終わるまでは、次のToDoには手を付けてはいけないというルールがあります。

この「アイビーリーメソッド」という方法は、1918年に、PR広告の創始者としても有名な「アイビーリー」が、コンサルタントをしていた企業の社長に伝授した方法です。教わった社長は、3ヶ月間このルールを試して満足し、アイビーリーに、現在の価値でおおよそ4,400万円もの報酬を支払ったほど、有用性の高い手法です。

アイビーリーメソッドは、人間の脳の仕組みから考えても、効率的に仕事を行うのに適した方法だと言われています。脳というのは、機能的に、並列処理で複数のことを同時にこなす「マルチタスク」には向いておらず、一つのことに集中する「シングルタスク」の方が、能力を発揮しやすいといわれています。同じようにシングルタスクに焦点を当てた手法に近いものとしては、投資の神様とうたわれる「ウォーレン・バフェット」の「25:5の法則(25:5のルール)」からも窺い知ることができます。25:5の法則とは、自分の目標を25個書き出し、その中でもっとも大切な5つのことにチェックをつけたら、その5つのことに集中し、それ以外のことには一切手をつけないという手法です。25:5の法則も、目標を絞ることで、脳の機能をフル活用する手法であると言えます。

アイビーリーメソッドのもうひとつの利点は、やることを前の日のうちに決めてしまうことにより、何をやればよいかを考える「決断疲れ」を減らすことができるというメリットもあります。著名な実業家の多くは、決断疲れを減らすよう努めている方も多く、例えば、Apple創始者のスティーブ・ジョブズや、Facebook創始者のマーク・ザッカーバーグ、元アメリカ大統領のバラク・オバマは、ほとんどいつも同じような服装をしており、ファッションの決断疲れを減らすように努めているのは有名な話しです。同じように、決断疲れを減らすことができれば、その分、ToDoリストの仕事をこなすことにも集中できます。

もちろん、細々とした用事がたくさんあるようなら、6つに収まらないこともあるかもしれませんし、タスクのこなし方も、人それぞれです。例えば、ToDoリストをフル活用してる先ほどの泉正人さんの場合、ToDoリストには常に約500の項目があり、1日の行うToDoリストは、30~40項目くらいです。また、泉正人さんの場合は、重要度や緊急度では分類せず、次のように作業をこなしていっています。

  1. 考えずに処理できる「作業系」のタスクを優先的に行う
  2. 「作業系」のタスクは、早朝に済ます
  3. タスクは処理時間にあわせて選択し、スキマ時間にあうものをこなしていく

「作業系」のタスクは、早朝であれば、電話やメールなどで無駄に中断されることがないため、作業効率を挙げることができます。そのため、早朝の1時間~2時間足らずで、一気にToDoリストを30個程片付けることもあるほどです。

タスクは「スキマ時間」が1時間であれば1時間のToDoを、5分であれば5分のToDoを選びます。ただし、ToDoによっては、タスクが大きすぎて、数日かかってしまうようなものあります。その場合は、タスクをさらに小さいToDoに分けて、スキマ時間にこなせるようにしていきます。例えば、Excelファイルへのデータ入力が3日かかりそうでも、Excelファイルのデータ入力用のテンプレートの作成までなら、15分でできるかもしれません。また、さらにデータ入力を「30行目まで」なら、1時間できるかもしれません。新入社員と役員職で考えても、人によってスキマ時間は異なりますが、適当なタスクのサイズにまで落とし込めれば、スキマ時間でサクサク、タスクをこなしていくことができます。

ToDoリストの処理の仕方に、「アイビーリーメソッド」を使うか、泉正人さんの手法を使うかは、自分の状況に合わせて試してみればいいかもしれません。しかし、泉正人さんの手法でも、複数のToDoを同時にこなすことはなく、必ず、順番に作業していくようしています。ToDoを処理するためには、集中力を高め、効率的に行えるよう、シングルタスクで行うのは鉄則です。

ToDoリストの作り方:4.やる気のないタスクは消す

ToDoリストの作り方のポイントの4つめは「4.やる気のないタスクは消す」です。基本的には、タスクのこなし方を習得できれば、どんどんToDoリストは消化していくものです。しかし、それでも、どうしてもタスクが片付かない場合があります。そんな場合は、ToDoリストに、次のどちらかの問題があります。

  1. タスクが抽象的、あるいは複雑なため、手がつかないか、途中で止まってしまう
  2. そもそも、そのタスクをやる気がない

「1.タスクが抽象的、あるいは複雑」という場合は、タスクを具体的な行動に細分化することで、こなしやすいタスクにすることができます。例えば、「10件に連絡する」だとタスクが抽象的すぎて手に付きにくくなりますが、「○○の名簿の上から10件に連絡する」など、具体的にすると、タスクがはかどりやすくはります。

「2.タスクをやる気がない」という場合は、あきらめてすっぱり消す用にしましょう。消した後に、必要になったらまたリストに入れればいいだけなので、消すことに罪悪感を覚える必要はありません。

ToDoリストの作り方まではできる方も多いですが、ToDoリストをきちんと処理できる方はほとんどいません。しかし、一般的な人が「忙しい」と感じる時でも、普通は、考え方を変えることができれば、その10倍程度の仕事はこなせると言われています。

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